苦労して取得した医師の資格を活かすためには、将来的に開業して自分のクリニックを持ちたいと願うものです。雇われる立場とは違い、自分の考え方で経営ができるので、得意な技術を披露するには最適な手段だといえます。開業をするには経営者としての技術と知識を要します。腕の良い医師として勤務していた病院で高い評価を獲得していたとしても、開業して同じように成功するとは限りません。多額の資金を投じるなど、大きなリスクを背負ってスタートすることですから、安易な気持ちでチャレンジすると大失敗をする危険があります。成功をおさめるためには、開業前の準備が必要です。自分のクリニックを持ち、医師として長く続けていくためにも、必要なノウハウをしっかりと頭の中に叩き込んでおくことをおすすめします。

個人経営と法人経営の違いを把握する

医師として開業を目指す上で必ず比較したいのが、個人経営と法人経営です。どちらを選んでも構わないものの、それぞれメリットやデメリットがありますので、把握しておきましょう。個人経営の良さは、開業までの手続きがとても楽であることです。提出書類の数が少なく、すぐさま仕事に取り掛かれる良さを持っています。従業員が一定数以下であると社会保険の加入がなく、経費が安く済みます。その代わりに所得が増えすぎると税金の負担が増えるなどのデメリットがあります。法人経営であれば事業展開がしやすく、収入を役員報酬として受け取れるため、大幅な節税ができます。赤字になっても7年まで繰り越して利益を低く見せることができるなどのメリットを持つ反面、社会保険の負担が増えたり、手続きや書類提出に手間がかかるというデメリットがあります。

周辺環境の確認と利用者を集めるコツを知る

開業する場所を事前にきちんと調べておきましょう。競合するクリニックがすでにあると、利用者が集まってこない可能性が高くなります。そのクリニックの評判が良ければ失敗の危険が非常に高くなるため、避けるのが安心です。繁盛しているクリニックがあっても別の科目であれば、さほど影響はありません。開業するということは、商売を始めることでもあります。医師として実績があれば誰でも訪れてくれるものではなく、物やサービスを売っている店舗のように、顧客を集める努力をしなければなりません。宣伝が必須ですが、最初の頃は大々的に宣伝するよりも、口コミで広めるのがおすすめです。ウェブサイトを作成しておくと、近所のクリニックを探している人に、見てもらえる可能性があります。資金を保つためにも、順調に回転するまでは贅沢にお金をかけない辛抱も重要なポイントです。